Meta広告とGoogle広告のいちばん大きな違いは、広告が表示されるきっかけです。Google広告の検索キャンペーン(いわゆるリスティング広告・検索広告)は、ユーザーがGoogleで検索した語句と、広告主が設定したキーワードとの関連性に基づいて、検索結果に表示されます(Google 広告ヘルプ:キーワード)。
一方、Meta広告(Facebook広告・Instagram広告。いわゆるインスタ広告)は、広告セットで決めたオーディエンス(地域・年齢・興味・関心・行動など)をもとに、FacebookやInstagramのフィード、ストーリーズなどに画像や動画の広告として表示されます(Meta:詳細ターゲット設定について、Meta:オーディエンス管理とオーディエンスの提案について、Meta:広告配置について)。
どちらから始めるかは、「顧客が自社の商品・サービスを検索するか」で決める、というのがこの記事の判断基準です。検索キャンペーンは検索語句をきっかけに表示されるので、「地域名+業種」や商品名で探される事業ならGoogle広告から、まだ探されていない新しい商品・サービスを知ってもらう必要があるならMeta広告から始めます。月数万円の予算なら、まず1つの媒体に絞ります。
両方を併用する場合は、問い合わせ・予約・購入といった成果の定義と数え方を先にそろえないと、1件の問い合わせが両方の管理画面に計上され、どちらが効いたのかを比べられません。この記事は、2026年10月11日時点の公式情報に基づきます。広告の仕様は変わることがあるため、設定の前に各媒体の管理画面とヘルプも確認してください。
費用の相場や、成果1件あたりの費用の媒体別の比較は、一次資料で確認できなかったため示していません。
Meta広告とGoogle広告の違いは、表示のきっかけ・出る場所・料金など7点
Meta広告とGoogle広告の検索キャンペーンは、広告が出る場所、表示のきっかけ、広告の形、届きやすい相手、料金の発生、始めるのに必要なもの、成果の計測の7点で違います。Google広告にはいくつも種類があるため、ここでは検索結果に表示する検索キャンペーンとMeta広告を比べます。検索広告(リスティング広告)とSNS広告を比べたい場合も、Google広告の検索キャンペーンとMeta広告の比較として、この表を使えます。
| 比べる点 | Google広告(検索キャンペーン) | Meta広告 |
|---|---|---|
| 広告が出る主な場所 | Google の検索結果。ディスプレイや動画の種類を使えば、ウェブサイトやアプリ、YouTube にも出せる | Facebook、Instagram、Messenger、WhatsApp、Threads、Meta Audience Network(使える配置は目的・広告のタイプ・設定で変わる) |
| 表示のきっかけ | ユーザーの検索語句と、設定したキーワードの関連性・マッチタイプ | 広告セットで決めたオーディエンスと、配信システムの判断 |
| 主な広告の形 | テキスト広告 | 画像または動画、カルーセル(複数の画像・動画)など |
| 届きやすい相手 | 商品やサービスを積極的に検索している人(顕在層) | 検索していない人も含め、オーディエンスの条件に合う人(潜在層を含む) |
| 料金の発生 | クリック単価(CPC)制では、広告がクリックされたときだけ発生 | 作成時に別の指定をしない限り、通常は広告の表示回数(インプレッション)に応じて請求 |
| 始めるのに必要なもの | テキスト広告とキーワード(特別なファイルやアセットは不要) | Facebookページ(または他の人のページの管理者などの権限)、広告の画像・動画 |
| 成果の計測 | Google広告のコンバージョン(Google タグ、またはGoogle アナリティクスのキーイベントの取り込み) | Metaピクセル(サイトに置くコード)などで記録するイベント |
表の根拠:Google 広告ヘルプ:適切なキャンペーン タイプを選択する、キーワード、単価設定の基礎、コンバージョン測定について、Meta:広告配置について、広告の作成方法(英語)、広告料金の請求のしくみ、広告アカウントを作成する方法、Metaピクセルについて。「顕在層」「潜在層」は、この記事では「すでに商品・サービスを探している人」「まだ探していないが、必要になりうる人」の意味で使っています。
ただし、「Googleは検索している人だけ、Metaは検索していない人だけ」という白黒の違いではありません。Google広告にも、ユーザーの属性や興味・関心、積極的に調べている情報などに基づくオーディエンス セグメントを使い、ウェブサイトの閲覧中や動画の視聴中に広告を表示する種類があります(Google 広告ヘルプ:オーディエンス セグメントについて)。
Meta広告にも、FacebookやInstagramの検索結果に表示される配置があります(Meta:広告配置について)。この記事では、最初の1つを選ぶための比較の対象を、Google広告の検索キャンペーンと、フィードなどに表示するMeta広告に絞っています。
なお、検索広告はGoogleのほか、Yahoo! JAPANの検索結果にも出せます。ユーザーが検索したキーワードに応じてテキスト広告を表示する「LINEヤフー広告 検索広告」(旧Yahoo!広告)です(LINEヤフー for Business:LINEヤフー広告 検索広告)。名称の変更や旧LINE広告からの移行は、LINEヤフー広告とは(LINE広告の終了日と移行の確認点)で解説しています。
Google広告は検索語句、Meta広告はオーディエンスの条件で表示される
Google広告の検索キャンペーンは検索語句をきっかけに、Meta広告は広告セットで決めたオーディエンスの条件と配信システムの判断をきっかけに、広告が表示の候補になります(図1)。広告を表示できる枠ごとにオークションが行われ、表示する広告が決まる点は共通です(Google 広告ヘルプ:単価設定の基礎、Meta:広告料金の請求のしくみ)。
Google広告の検索キャンペーンは、検索語句をきっかけに表示される
Google広告のキーワードは、商品やサービスを表す単語やフレーズで、いつどこに広告を表示するかを決める要素です。ユーザーがGoogleで検索すると、その検索語句と設定したキーワードとの関連性の高さと、キーワードのマッチタイプに基づいて広告が掲載されます(Google 広告ヘルプ:キーワード)。
検索語句をきっかけに表示される仕組みなので、ほとんど検索されない商品・サービスでは、検索キャンペーンの広告が表示される機会自体が少なくなります。最初に「顧客が検索するか」を確かめるのはこのためです。
Meta広告は、オーディエンスの条件と配信システムの判断で届く
Meta広告では、広告セットで広告を表示する対象(オーディエンス)を決めます。詳細ターゲット設定を使うと、興味・関心(例:ブルース音楽)、行動(例:よく旅行する)、利用者層データ(例:大学生)に基づいて利用者にリーチできます(Meta:詳細ターゲット設定について)。
Advantage+ オーディエンスを使うと、過去のコンバージョン、Metaピクセルのデータ、以前の広告へのアクションなどをもとに、MetaのAIがオーディエンスを見つけます(Meta:Advantage+ オーディエンスについて)。
このとき、地域・最低年齢・除外するカスタムオーディエンス・言語は、広告を見られる人を制限する「オーディエンス制御」です。地域を選んだ場合、「広告に反応する可能性が高い人へのリーチを増やす」を選ばない限り、指定した地域の外には配信されません(Meta:オーディエンス管理とオーディエンスの提案について)。
一方、年齢・性別・詳細ターゲット設定などは「提案」として扱われ、反応が見込める場合は指定した以外の人にも配信されることがあります(Meta:オーディエンス管理とオーディエンスの提案について)。商圏が決まっている店舗や訪問型の事業では、地域をオーディエンス制御で指定し、「広告に反応する可能性が高い人へのリーチを増やす」を選んでいないかを確かめます。
どっちから始めるか:顧客が検索するかで決める判断表
どちらから始めるかは、顧客が自社の商品・サービスを検索する(顕在層が多い)ならGoogle広告の検索キャンペーン、まだ探されていない商品・サービスを潜在層に知ってもらう必要があるならMeta広告、というのがこの記事の判断基準です。検索キャンペーンは検索語句をきっかけに表示されるという定義から導いた整理で、媒体が定めた基準ではありません(図2・表)。
| 自社の状況 | 最初の媒体 | 理由 |
|---|---|---|
| 困ったときに「地域名+業種」「症状+修理」などで検索される | Google広告(検索キャンペーン) | 探している人が検索したときに表示できる |
| 商品名・型番・ブランド名で探される商品を売っている | Google広告(検索キャンペーン、またはショッピング広告) | 検索結果やショッピング タブに表示できる。ショッピング広告には Merchant Center が必要 |
| 新しい商品・サービスで、名前も解決方法もまだ知られていない | Meta広告 | 検索されないうちは、検索広告の表示機会が少ない |
| 写真や動画で魅力が伝わる(料理、ヘアスタイル、施工後の様子など) | Meta広告も候補 | フィードやストーリーズに画像・動画の広告を出せる |
| 開業・移転・イベントを、決まった地域の人に知らせたい | Meta広告 | 地域をオーディエンス制御で指定して、検索していない人にも届けられる |
| 判断がつかない | 先にキーワード プランナーで確かめる | キーワードの月間の検索数の見積もりを確認できる |
表のうち媒体の仕様に当たる部分の根拠:Google 広告ヘルプ:適切なキャンペーン タイプを選択する、キーワード プランナーを使う、Meta:広告配置について、オーディエンス管理とオーディエンスの提案について。
顧客が検索しているかは、キーワード プランナーの検索数で確かめる
Google広告のキーワード プランナーでは、商品やサービスに関連するキーワードの候補と、そのキーワードが1か月に獲得する検索数の見積もり、表示される広告の平均費用を確認できます。「新しいキーワードの候補を取得する」などの基本機能を使うには、お支払い情報を入力してアカウント設定を完了する必要があります(Google 広告ヘルプ:キーワード プランナーを使う)。
見積もりは目安で、実際の結果は入札単価・予算・広告の品質・地域の設定などの影響を受けることがあります(Google 広告ヘルプ:キーワード プランナーを使う)。それでも、自社の商品・サービスを表す言葉がほとんど検索されていなければ、検索語句をきっかけに表示される検索キャンペーンの表示機会も少ないと判断する材料になります。
あわせて、既存のお客様に「何で調べて見つけたか」を聞けば、検索で見つけたのか、紹介やSNSで知ったのかを自社の記録として残せます。広告以外の方法(自然検索・地図検索・SNSの投稿など)も含めて何から始めるかを比べたい場合は、Web集客の方法と選び方(費用・時間・手間での比較)で整理しています。
業態別では、顧客の探し方で最初の媒体が分かれる
判断表を問い合わせ型、予約・来店型、EC型に当てはめると、問い合わせ型で、困りごとが起きてから「地域名+業種」などで検索される場合はGoogle広告の検索キャンペーンから、予約・来店型とEC型は、検索で探されるか、写真や新しい商品として知ってもらうかで最初の媒体が分かれます。
| 業態 | 顧客の探し方の例 | 最初の媒体 | 次に足す候補・注意点 |
|---|---|---|---|
| 問い合わせ型(工務店・リフォーム・士業) | 困りごとが起きてから「地域名+業種」「症状+修理」などで検索する | Google広告(検索キャンペーン) | 施工事例の写真や相談会の告知をMeta広告で。住宅の販売・賃貸などがMetaの特別な広告カテゴリに当たる場合は、Advantage+ オーディエンスを使えない |
| 予約・来店型(美容室・整体院・クリニック・飲食店) | 「地域名+業種」で検索する/写真や動画を見て行きたくなる | 検索で探される業種はGoogle広告、写真で選ばれる業種はMeta広告 | もう一方の媒体。どちらも配信地域を商圏に合わせる。健康に関わる業種は次の章の制限を確認 |
| EC型(ネットショップ) | 商品名・型番・カテゴリで検索する/SNSで商品を知る | 探される商品はGoogle広告(検索・ショッピング)、新しい商品はMeta広告 | もう一方の媒体。ショッピング広告には Merchant Center のアカウントと商品在庫のアップロードが必要 |
表は媒体が業種別に定めたものではなく、この記事の判断基準を当てはめた例です。表の媒体の仕様の根拠:Meta:オーディエンス管理とオーディエンスの提案について、Google 広告ヘルプ:適切なキャンペーン タイプを選択する。
ユーザーが現在地付近の店舗や場所を検索すると、GoogleマップとGoogle検索にローカル検索結果が表示され、Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)はその表示を改善するために使えます(Google ビジネス プロフィール ヘルプ:Google のローカル検索結果のランキングを改善するヒント)。予約・来店型の事業者は、広告とは別に、この地図検索での表示も確かめる対象になります。整え方は、Googleビジネスプロフィールで地域から集客する方法で解説しています。