結論
不動産広告の規約とは、景品表示法に基づいて認定された業界の自主規制「不動産の表示に関する公正競争規約」(表示規約)です。物件の種別ごとに決まった事項を表示し、徒歩所要時間は道路距離80mを1分として換算し、「完全」「格安」などの特定用語は根拠資料なしには使えません。成約済みの物件をネットに載せ続けると、おとり広告になります。
この記事でわかること
- 宅建業法・景品表示法・表示規約の対象の違いと、ネット広告・SNS・看板も「表示」に含まれること
- 広告を始められる時期と、物件の種別ごとの必要な表示事項・不利な事項の書き方
- 禁止用語(特定用語)6区分の使える条件と、「新築」「LDK」の意味
- 写真・CG・二重価格・キャンペーン賃料の注意点と、おとり広告の3つの型
- 公開前に確かめる順番の確認表と、売買・賃貸・分譲で先に確かめる項目
不動産広告の規約とは、不動産業界が景品表示法に基づいて自主的に設定し、公正取引委員会と消費者庁長官の認定を受けた「不動産の表示に関する公正競争規約」(表示規約)のことです。広告に表示しなければならない事項や表示の基準を定めており、誤解を招く表現・虚偽表示・おとり広告などの違反には、全国9地区の不動産公正取引協議会が警告や違約金などの措置をとります(消費者庁:公正競争規約、首都圏不動産公正取引協議会:不動産広告を見る前に)。
宅地建物取引業者の広告は、表示規約のほかに宅地建物取引業法(宅建業法)と景品表示法の対象にもなり、インターネットの広告もチラシと同じく規制を受けます。この記事は2026年10月18日時点の公式情報に基づきます(消費者庁・e-Gov法令検索・不動産公正取引協議会)。
表示規約の全文は、不動産公正取引協議会連合会の「公正競争規約の紹介」で公開されています。この記事は、消費者庁の解説と首都圏不動産公正取引協議会の相談事例・違反事例で確認できた要点を、広告・LP(ランディングページ。広告から最初に開くページ)を作る順に並べたものです。個別の表現が規約や法律に当たるかは判断しません。
不動産広告は、宅建業法・景品表示法・表示規約の3つで確かめる
不動産会社の広告は、宅建業者の広告のルールである宅建業法、事業者の不当表示を禁じる景品表示法、参加事業者が守る詳しい表示のルールである表示規約の3つで確かめます。
宅建業法は、物件の所在・規模・形質・利用の制限・環境・交通・代金などについて、著しく事実に相違する表示や、実際より著しく優良・有利だと誤認させる表示を禁じています(第32条)。工事完了前の物件は開発許可・建築確認などの後でなければ広告できず(第33条)、売買・交換・貸借の広告には、自ら当事者となるか、代理か、媒介かという取引態様の別を明示します(第34条。e-Gov法令検索:宅地建物取引業法)。
景品表示法は、品質などを実際より著しく優良と示す優良誤認表示と、価格などの取引条件を著しく有利と誤認させる有利誤認表示を禁じています。さらに、内閣総理大臣が指定する不当表示の1つとして「不動産のおとり広告に関する表示」の告示があります(消費者庁:表示規制の概要)。
表示規約は、法律が禁じる内容をもとに、必要な表示事項・表示の基準・用語の使い方まで細かく決めている点が、ほかの2つと違います。消費者庁は公正競争規約で定められる内容の例として、不動産広告の徒歩所要時間を80メートルにつき1分で換算することを挙げています(消費者庁:公正競争規約)。
図1 不動産広告で確かめる3つのルール。e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」、消費者庁「表示規制の概要」「公正競争規約」、首都圏不動産公正取引協議会の相談事例をもとに作成(Framework作成)ネット広告・SNS・看板・チラシも、表示規約の「表示」に含まれる
表示規約でいう「表示」は、顧客を誘引するための手段として事業者が物件の内容や取引条件などについて行う広告その他の表示(第4条第5項)で、対象は一般消費者向けの居住用不動産の広告です(首都圏不動産公正取引協議会:表示規約適用の有無)。
協議会の相談事例では、社内資料や業者間の情報図面も一般消費者に見せた時点で「表示」に当たるとしています。物件の現地に出す看板にも広告開始時期の制限がかかり(広告表示の開始時期の制限)、住宅のポストに直接入れるチラシにも新聞折込チラシと同じ必要な表示事項が求められます(必要な表示事項)。
定義は媒体を限っていないので、自社サイト・ポータルサイト・SNSの投稿・SNS広告・検索広告・LPも、物件の内容や取引条件を示して顧客を誘引するものなら、同じルールで確かめることになります。媒体ごとの広告審査は表示規約とは別にあり、Meta広告の審査の確かめ方はMeta広告の審査に落ちたときの確認ポイントで説明しています。
表示の責任は広告主にあります。協議会は、業者間の図面の記載をそのまま使った広告でも責任は図面の作成者ではなく広告主にあるとし、売却依頼者の強い要望で表示した場合も責任を負うのは広告主の不動産事業者だとしています(表示規約適用の有無、不当表示の禁止)。責任が広告表示の主体にあるという考え方なので、広告文やLPの制作を外部に任せる場合も、公開前の確認は広告主の工程に残ります。制作を依頼するときに決めておくことはホームページ制作の依頼前に決めることで扱っています。
工事完了前の物件は、開発許可・建築確認の後でなければ広告できない
工事完了前の宅地・建物は、宅建業法第33条と表示規約第5条により、開発許可や建築確認などを受けた後でなければ広告できません(宅地建物取引業法、広告表示の開始時期の制限)。
協議会は、建築確認や開発許可を受ける前(申請中を含む)は、「販売予告」「予告広告」と称しても一切の広告はできないとしています。いわゆる予告広告は、許可・確認を受けた後、価格や賃料がまだ決まっていない段階で使える手法で、対象は2区画・2戸以上の分譲宅地、新築分譲住宅、新築分譲マンション、一棟リノベーションマンション、新築賃貸マンション・アパートです。
物件の現地に出す看板も同じ制限を受けます。許可・確認の前に出せるのは、建設予定地である旨・事業者名・電話番号の3項目だけの「お知らせ看板」として扱われる表示で、完成予想図・価格・販売予定時期を載せると物件広告とみなされます(広告表示の開始時期の制限)。
物件ごとの必要な表示事項と、徒歩所要時間などの基準を守る
表示規約は、物件の種別ごとに広告に表示しなければならない事項(必要な表示事項)を別表1〜10で定め、徒歩所要時間・面積などの表示の基準も定めています(不動産公正取引協議会連合会:公正競争規約の紹介)。
別表は、分譲宅地、売地・貸地、新築分譲住宅、新築住宅・中古住宅、新築分譲マンション、中古マンション、新築賃貸マンション・アパート、中古賃貸マンション・貸家などに分かれています。必要な表示事項は「見やすい場所に、見やすい大きさ(原則として7ポイント以上)、見やすい色彩の文字により、分かりやすい表現で明りょうに」表示するとされ、文字が小さい・不鮮明な場合は、書いていても書いたことにならないとしています(必要な表示事項)。
徒歩所要時間は道路距離80mを1分として換算し、自動車・自転車・バスには1分あたりの基準がないので、道路距離や運行表の時間で示します。
| 項目 | 表示の基準 |
|---|
| 徒歩所要時間 | 80メートルにつき1分で換算 |
| 自動車・自転車 | 1分あたりの基準はない。道路距離と実際の走行時間を書く(例「自動車で15分(8km)」) |
| バス | バス会社に確認した運行表の時間 |
| 駅・施設までの起点と着点 | 地上駅は駅舎の出入口、地下鉄は地上の出入口、学校は原則として正門 |
| 中古マンションの専有面積 | 壁心面積が原則。登記面積をその旨を明らかにして表示することもできる |
| 車庫・カーポート・カースペース | 車庫は建物、カーポートは屋根と柱だけの施設、カースペースは屋根もない駐車場所 |
徒歩の換算は消費者庁:公正競争規約、ほかの行は物件の内容・取引条件等に係る表示基準によります。
ネット広告で抜けやすい項目は、協議会の違反事例で確かめられます。2026年5月度・6月度の措置では、賃貸物件のホームページ広告で、情報登録日または直前の更新日、損害保険への加入、ルームクリーニング・エアコンクリーニングの費用、家賃保証料の書き漏れが挙がり、公園の近さをうたいながら道路距離・徒歩所要時間を書いていない例もありました(2026年6月度の措置、2026年5月度の措置)。
再建築不可・セットバックなど不利な事項は、決まった言い方で書く
一般消費者が通常予期できない物件の地勢・形質・立地・環境などや、著しく不利な取引条件のうち施行規則で定める事項は、表示規約第13条により広告で明示しなければなりません(首都圏不動産公正取引協議会:特定事項の明示義務)。
「不適合接道」「地役権設定有」「法面」のような言い方では、一般消費者に意味が伝わらず、明示したことになりません。
| 物件の状態 | 表示の仕方(協議会の説明) |
|---|
| 建築基準法の道路に2m以上接していない土地など | 「建築不可」、中古住宅などは「再建築不可」 |
| セットバックを要する土地 | その旨。面積がおおむね10%以上なら、おおむねの面積も(例「セットバック12m²要」) |
| 路地状部分が土地のおおむね30%以上 | 路地状部分を含む旨と、その割合または面積 |
| 高圧線下の土地 | その旨とおおむねの面積。建築が禁止されていればその旨も |
| 傾斜地がおおむね30%以上 | 「傾斜地」を含む旨と、その割合または面積 |
| 市街化調整区域の土地 | その旨と、原則として建物を建てられない旨。例外の条件があればそれも |
協議会は、違反に対する事情聴取の案件にもこうした欠陥を表示していない事例が多く、違約金などの措置を受けているとしています(特定事項の明示義務)。
禁止用語(特定用語)は、根拠資料と事実の併記があれば使える
表示規約第18条第2項の特定用語(いわゆる禁止用語)は、表示内容を裏付ける合理的な根拠を示す資料を現に持っている場合を除いて使えず、最上級の用語と著しく安い印象の用語は、さらに根拠となる事実を併せて表示する場合に限って使えます(首都圏不動産公正取引協議会:特定用語の使用基準)。
6つの区分のうち、根拠資料に加えて事実の併記まで求められるのは、最上級(区分4)と安さ(区分5)の用語です。
| 区分(意味) | 用語の例 | 使える条件 |
|---|
| 1 全く欠けるところがない | 「完全」「完ぺき」「絶対」「万全」 | 根拠資料を持っている |
| 2 競争事業者より優位 | 「日本一」「日本初」「業界一」「超」「当社だけ」「他に類を見ない」「抜群」 | 根拠資料を持っている |
| 3 一定の基準で選別した | 「特選」「厳選」 | 根拠資料を持っている |
| 4 最上級 | 「最高」「最高級」「極」「特級」 | 根拠資料+根拠の事実を併記 |
| 5 著しく安い | 「買得」「掘出」「土地値」「格安」「投売り」「破格」「特安」「激安」「バーゲンセール」「安値」 | 根拠資料+根拠の事実を併記 |
| 6 人気が高く売行きがよい | 「完売」 | 根拠資料を持っている |
協議会は、挙がっている用語は例示で、類する用語も同じく規制されるとしています。根拠に挙げた条件がその物件だけに当てはまるよう恣意的に選んだものなら合理的な根拠とはいえないとして「No.1の資質」の表示例を退け、数期に分けて販売するマンションで第1期に売れ残りがあるのに「第1期完売御礼」と書く例も違反に挙げています(特定用語の使用基準)。業種を問わない「No.1」の表示の考え方は「No.1」「満足度◯%」の表示ルールで扱っています。
特定用語を使う前は、根拠資料を今持っているか、次に最上級・安さの用語かの順で確かめます。
図2 特定用語を使う前の判断。首都圏不動産公正取引協議会「特定用語の使用基準」をもとに、確かめる順に並べたもの(Framework作成)「新築」「LDK」は規約が定める意味どおりに使う
表示規約第18条第1項は、「新築」を建築後1年未満で居住の用に供されたことがないものに限っています。建築後1年以上たった未入居の物件は、新築とせず「未入居戸建」などと表示する例が示されています(特定用語の使用基準)。
DK(ダイニング・キッチン)・LDK(リビング・ダイニング・キッチン)には居室数に応じた広さの目安があり、居室が2部屋以上ならLDKは10畳以上、DKは6畳以上が目安です。
| 居室(寝室)の数 | DK | LDK |
|---|
| 1部屋 | 4.5畳 | 8畳 |
| 2部屋以上 | 6畳 | 10畳 |
写真・CG・価格は、注記を付けても実際と違う表示はできない
写真・CG(コンピュータグラフィックス)・完成予想図は、「イメージ」「実際とは多少異なります」と注記しても、消費者が受ける印象と実際が違えば不当表示を免れないと協議会は説明しています(首都圏不動産公正取引協議会:不当表示の禁止)。不当表示に当たるとされた例は次のとおりです。
- 外国の大都市の公園の写真と物件のパースを合成し、「イメージフォト」と添える
- 現地写真の電柱・電線を消して、完成予想図をCGで合成する
- 実際と異なる建物のパースに「現況を優先します」と注記して載せる
- 建築基準法第28条に適合しない納戸を居室に数えて「3LDK」と表示する
- 居室か納戸かの別を書いていない間取り図を載せる
価格の表示では、過去の販売価格と比べる二重価格表示に要件があります。2022年9月1日施行の施行規則では、比べる価格は値下げ直前の価格で、値下げ前2か月以上公表していたものに限られ、旧価格の公表日と値下げ日の明示、値下げから6か月以内の実施なども必要です(二重価格表示)。
賃貸では、当初の数か月だけ安くするキャンペーン賃料を賃料欄に載せると、契約期間中の賃料や礼金・敷金の計算のもとと誤認させる表示になります。協議会は、賃料欄には割引前の本来の賃料を書き、キャンペーンの内容は備考欄などに補足するよう求め、ポータルサイトだけでなく自社のホームページも同じだとしています。ルームシェア物件は、その旨と同居する人数・性別などを明りょうに書きます(賃貸物件特有のもの)。
おとり広告は、存在しない・取引できない・取引する意思がない物件の広告
おとり広告とは、存在しないため取引できない物件、存在するが取引の対象となり得ない物件、存在するが取引する意思がない物件の表示で、景品表示法の告示「不動産のおとり広告に関する表示」が不当表示としています(消費者庁:不動産のおとり広告に関する表示)。消費者庁が挙げる例は次のとおりです。
- 存在しないため、実際には取引できない物件(例:実在しない住所・地番を載せた物件)
- 存在するが、実際には取引の対象となり得ない物件(例:売約済みの物件)
- 存在するが、実際には取引する意思がない物件(例:希望者に他の物件を勧めて、その物件の取引に応じない)
消費者庁は、この告示の不当表示を行っていると認めた事業者に、措置命令などの措置を行うとしています。表示規約もおとり広告を禁じており、規約の違反には協議会が措置をとります(不動産広告を見る前に)。
売約済みの物件は取引の対象となり得ない物件と定義されているので、成約・入居が決まった物件の掲載が自社サイトやポータルサイトに残っている間は、2つ目の型に当たる状態になります。
図3 成約後も掲載が残る期間がおとり広告になる。消費者庁「不動産のおとり広告に関する表示」と首都圏不動産公正取引協議会の2026年5月度・6月度の措置をもとに作成(Framework作成)首都圏不動産公正取引協議会の2026年5月度・6月度の措置では、どちらも賃貸物件のホームページ広告で、契約済み・入居済みになった後も掲載を続けたことがおとり広告として挙がっています。掲載が続いた期間は、6月度が16日間〜7か月以上、5月度が6か月以上〜1年4か月以上で、措置はいずれも違約金の課徴です(2026年6月度の措置、2026年5月度の措置)。
現地写真にも注意が要ります。協議会は、全4棟のうち2棟が売却済みの現地写真を、販売対象を示さずに使うと、売却済みの棟が販売対象のように見え、おとり広告に当たるおそれがあるとしています(不当表示の禁止)。ポータルサイトの運営会社による掲載の適正化の取り組みは、不動産の反響獲得をWebで増やす方法で紹介しています。
公開前は、時期・取引態様・表示事項・用語・写真と価格・掲載後の順に確かめる
不動産の広告・LPは、①広告してよい時期か、②広告主と取引態様、③必要な表示事項と不利な事項、④用語、⑤写真・CG・価格、⑥公開後の取り下げと更新日、の順に確かめます。最初に時期を置くのは、許可・確認の前なら、ほかの項目が整っていても広告自体ができないためです。
図4 広告・LPを公開する前に確かめる順番。宅建業法と首都圏不動産公正取引協議会の相談事例・違反事例をもとに、確かめる順に並べたもの(Framework作成)次の確認表は、この記事で取り上げた公式の解説・相談事例・違反事例の内容を、Frameworkが図4の順に並べたものです。
- 開発許可・建築確認の前に、予告広告や現地の看板を含めて広告していないか(宅建業法第33条・表示規約第5条)
- 自ら売主・貸主か、代理か、媒介かの取引態様を書いたか(宅建業法第34条)
- 物件の種別の別表にある必要な表示事項を、見やすい大きさ・色で書いたか
- 再建築不可・セットバック・高圧線下・傾斜地・市街化調整区域などを、決まった言い方で書いたか
- 徒歩所要時間を80mにつき1分で換算し、起点と着点を示したか
- 特定用語に根拠資料があり、最上級・安さの用語には根拠の事実を併記したか
- 「新築」「LDK」を規約の意味どおりに使い、納戸を居室に数えていないか
- 写真・CGが取引する物件と周囲の現況に沿っていて、注記に頼っていないか
- 二重価格・キャンペーン賃料を、要件どおりの欄と書き方で示したか
- 成約・入居済みの物件を自社サイトとポータルサイトから外し、情報登録日または更新日を書いたか
売買は不利な事項、賃貸は掲載の終了、分譲は広告の時期を先に確かめる
先に確かめる項目は取引の種類で変わり、土地・中古住宅の売買は不利な事項の明示、賃貸は成約後の掲載と費用の記載、新築分譲や建築条件付土地は広告を始める時期と取引の対象の示し方が中心になります。ここまでの相談事例・違反事例がどの取引を例にしているかで、Frameworkが分けたものです。
| 取引の種類(業態の区分) | 先に確かめる項目 | もとにした資料 |
|---|
| 土地・中古住宅・中古マンションの売買(問い合わせ型) | 再建築不可・セットバックなどの明示、徒歩所要時間、専有面積の示し方 | 特定事項の明示義務、表示基準 |
| 賃貸の仲介・管理(予約・来店型。内見・来店の予約が反響) | 成約・入居済みの物件の取り下げ、保険・クリーニング・家賃保証料の記載、キャンペーン賃料 | おとり広告の告示、2026年5月度・6月度の措置、賃貸物件特有のもの |
| 新築分譲住宅・マンション(問い合わせ型。モデルルームの見学は予約・来店型) | 建築確認前の広告・予告広告、完成予想図とCG、販売済みの棟が写る写真 | 広告表示の開始時期の制限、不当表示の禁止 |
| 建築条件付土地(問い合わせ型) | 取引の対象が土地であり、建売住宅と誤認されない示し方 | その他(建築条件付き) |
建築条件付土地は、土地の売買契約と建物の建築請負契約の2本の契約になり、協議会は、建物の完成予想図や間取り図を大きく載せて建売住宅の取引と誤認されないようにする必要があるとしています(その他(建築条件付き、優先販売、定期借地権、表示の訂正))。工務店やリフォーム会社の工事請負だけの広告が表示規約の対象になるかは、この記事で確かめた資料では判断できないため、地区の協議会に確かめます。景品表示法の優良誤認・有利誤認の禁止は、業種を問わず事業者の表示にかかります(表示規制の概要)。
ネットで購入まで完結するEC型の取引は、この記事で確かめた不動産の相談事例・違反事例には出てこないため、当てはめていません。
判断に迷う表現は、各地区の不動産公正取引協議会に相談する
個別の広告表現が表示規約に当たるかの相談は、北海道・東北地区・首都圏・東海・北陸・近畿地区・中国地区・四国地区・九州の9つの不動産公正取引協議会が受け付けており、連合会は相談を受け付けていません(不動産公正取引協議会連合会)。首都圏の協議会は、契約トラブルなどの相談は受け付けていないとサイトに明記しています(首都圏不動産公正取引協議会のサイト)。
相談の前に、物件の種別に合う別表と、表示規約・施行規則の全文を公正競争規約の紹介のページで開き、迷っている表現と根拠資料をそろえておくと、何を確かめたいかを具体的に伝えられます。
Web広告では、表示規約とは別に媒体ごとのポリシーがあります。Meta広告とGoogle広告の住宅カテゴリの制限が日本で適用されるかは、不動産の反響獲得の記事で公式ヘルプの範囲を整理しています。広告の遷移先となるLPの制作で扱う範囲(訴求・構成・原稿・公開前の表示とフォームの確認)は、LP制作の支援内容にまとめています。
まとめ
不動産広告の規約(表示規約)は、宅建業法と景品表示法の上に、必要な表示事項・表示の基準・用語の使い方を細かく定めた業界のルールで、ネット広告・SNS・看板・チラシのどれにもかかります。
まず、自社サイトとポータルサイトに載っている物件の一覧を契約・入居の状況と突き合わせ、成約済みの物件が残っていないかを確かめます。次に、広告文とLPの原稿から「完全」「格安」「新築」「LDK」などの語を検索し、根拠資料と規約の意味に合っているかを確認します。そのうえで、扱う物件の種別の別表を開いて必要な表示事項を照らし合わせ、判断に迷う表現は地区の不動産公正取引協議会に相談します。
よくある質問
- 表示規約に参加していない不動産会社にも、規約のルールは適用されますか?
- 表示規約は事業者が自主的に設定するルールなので、消費者庁の「公正競争規約」のページによると、規約に参加していない事業者には適用されません。ただし、参加していない事業者の不当表示には消費者庁が景品表示法に基づいて措置をとります。不動産のおとり広告の告示も景品表示法に基づくもので、宅建業者の広告には宅建業法の誇大広告の禁止などもかかります。
- 倉庫やビルなど事業用物件の広告にも、表示規約は適用されますか?
- 首都圏不動産公正取引協議会の相談事例「表示規約適用の有無」によると、表示規約は一般消費者を対象とした居住用不動産の取引の広告を対象としており、事業者向けの倉庫やビルなどの事業用物件の広告には、売買・賃貸を問わず適用されません。ただし、宅建業法の広告の規制は受けるとしています。
- チラシに誤った面積を載せてしまったときは、どうすればよいですか?
- 首都圏不動産公正取引協議会の相談事例(その他)では、土地面積を実際より広く誤表示したチラシは不当表示に当たり、放置せずに訂正広告が必要だとしています。回収できなかった地域の新聞の読者に向けて新聞折込チラシか新聞で訂正広告を出し、内容は一般消費者の誤認を除くのに適切なものにする必要があります。小さく抽象的な訂正では足りないとしています。