リスティング広告(検索広告)のキーワードは、①商品・サービス名と地域と目的の語を掛け合わせて候補を洗い出し、②キーワードプランナーで検索ボリュームと入札単価の範囲を確かめ、③マッチタイプで広告を出す検索の範囲を決め、④配信後に検索語句レポートで関係のない語句を除外キーワードに入れる、の順で選びます。
Google は、顧客が商品やサービスを探すときに使いそうな語句を選び、具体的で購入意向の強いキーワードやロングテール キーワード(複数の語を組み合わせた具体的な検索語)に重点を置くよう勧めています(Google 広告ヘルプ:効果的なキーワードの選び方)。マッチタイプは「インテント マッチ(旧:部分一致)」「フレーズ一致」「完全一致」の3種類で、Google はインテント マッチとスマート自動入札の併用が不可欠だとしています(Google 広告ヘルプ:キーワードのマッチタイプについて)。
この記事は2026年10月22日時点の公式情報(Google 広告ヘルプ)に基づき、Google広告の検索キャンペーンを例に、キーワードを選ぶ手順と、マッチタイプ・除外キーワードの判断の基準を整理します。画面の名称は今後変わることがあります。
キーワードは「洗い出す・確かめる・範囲を決める・除く」の4段階で選ぶ
リスティング広告のキーワード選びは、配信前の「洗い出す」「確かめる」「範囲を決める」の3段階と、配信後に繰り返す「除く」の1段階に分かれます。Google は、検索語句レポートで実際の検索語句を定期的に確認すると、関連性の高い新しいキーワードと、除外キーワードに入れるべき関連性の低い語句の両方が見つかるとしています(Google:効果的なキーワードの選び方)。このため、4段階目で見つかった語句は1段階目の候補に戻します。
Google広告の始め方の全体(アカウント登録・計測・キャンペーンの種類・予算)はGoogle広告の始め方:5つの手順で説明しています。この記事は、検索キャンペーンを作る段階でキーワードを決める部分を扱います。
候補は「商品・サービス名×地域×目的の語」の掛け合わせで洗い出す
キーワードの候補は、扱う商品・サービスの名前に、商圏の地域名と、見積もり・費用・予約など検索した人の目的を表す語を掛け合わせて洗い出します。Google はキーワード リストを作る前に、ビジネスの主要なカテゴリを見極め、カテゴリごとに顧客が使いそうな語句を下書きするよう勧めています(Google:効果的なキーワードの選び方)。
商品・サービス名だけでなく地域と目的の語を掛け合わせると、候補の数を増やしながら、1つ1つの語を具体的にできます。
具体的なキーワードは関係のない検索への表示を防げますが、Google は具体的すぎると十分な数の人に広告を届けられない場合があるとして、キーワードプランナーで検索ボリュームを確かめるよう勧めています(Google:効果的なキーワードの選び方)。
地域名のない語も候補に残すのは、地域は設定で絞れるから
地域名を含まない「外壁塗装 費用」のような語も、候補から外さずに残します。Google広告の地域ターゲティングでは、対象地域にいる人や対象地域をよく訪れる人に広告が表示されるので、地域名を入れずに検索した商圏内の人も対象になります(Google 広告ヘルプ:地域ターゲティングの詳細設定)。
逆に、初期設定の「所在地やインタレスト」では対象地域に関心を示した人にも広告が表示され、関心を判断する材料のひとつが検索語句なので、地域名を入れた検索は商圏の外にいる人の検索でも対象になることがあります(Google:地域ターゲティングの詳細設定)。商圏の外に出したくない場合の設定はGoogle広告の始め方の地域の手順で説明しています。
業態別:目的の語は、問い合わせ・予約・購入のどれを探すかで変わる
目的の語は、問い合わせ型なら見積もり・費用・相談、予約・来店型なら予約・駅名・営業時間、EC型なら商品名・型番・通販が中心になります。
| 業態 | 商品・サービス名の例 | 地域の例 | 目的の語の例 |
|---|---|---|---|
| 問い合わせ型(工務店・リフォーム・士業) | 外壁塗装、注文住宅、相続 相談 | 市区町村名 | 見積もり、費用、相談、業者 |
| 予約・来店型(整体院・美容室・クリニック) | 整体、カット、診療科名 | 駅名、区の名前 | 予約、営業時間、土日 |
| EC型 | 商品名、型番、素材 | (全国に配送するなら不要) | 通販、購入、価格 |
表の語は業態ごとの例として Framework が整理したもので、実際にどの語で検索されているかは、次の節のキーワードプランナーと、配信後の検索語句レポートで確かめます。
検索ボリュームと単価の範囲は、キーワードプランナーで確かめる
洗い出した候補は、キーワードプランナーで1か月の検索数の見積もりと、そのキーワードで広告を出す場合の費用の見積もりを確かめます。キーワードプランナーは[ツール]メニューから開き、[新しいキーワードを見つける]で語句やサイトのURLから新しい候補を探すことも、[検索のボリュームと予測のデータを確認する]で手元の候補を調べることもできます(Google 広告ヘルプ:キーワード プランナーを使う)。
キーワードプランナーの基本機能を使うには、お支払い情報を入力してアカウントの設定を終える必要があります。検索ボリュームが非常に少ないキーワードと、デリケートなトピックとみなされるキーワードは、候補と予測の対象になりません。予測は見積もりで、実際の成果は入札単価・予算・広告の品質・地域ターゲティングなどの影響を受けます(Google:キーワード プランナーを使う)。
表示される入札単価の範囲の読み方と、そこから1回のクリックに支払う金額であるクリック単価(CPC)を見積もる方法は、Google広告の費用の仕組み(クリック単価と請求)で説明しています。
少額なら、具体的な語から始めて一般的な語は後から足す
月数万〜数十万円の予算で始める場合は、目的の語を含む具体的な語から登録し、業種名だけのような一般的な語は単価の範囲を見て後から足す、というのがこの記事の判断基準です。Google は、一般的なキーワードは関係のない検索にも広告が表示される可能性があり、競合性が高ければ入札単価の引き上げが必要な場合があり、関連性を保つために継続的な最適化が必要になる場合があるとしています(Google:効果的なキーワードの選び方)。
関係のない検索へのクリックにかかる費用は、クリック数×クリック単価で見積もれます。クリック単価制では広告がクリックされたときに料金が発生するためです(Google 広告ヘルプ:クリック単価(CPC))。
- 月の予算5万円、平均クリック単価200円なら、1か月のクリックは5万円÷200円=250回
- そのうち1割(25回)が扱っていない商品を探す人の検索から来ると、25回×200円=5,000円がその検索に使われる
- この5,000円が、除外キーワードを入れていれば別の検索に回せた額の目安になる
予算・単価・割合はいずれも説明のための仮定です。実際のクリック単価と、関係のない検索語句の割合は、配信後の検索語句レポートで確かめます。
マッチタイプは3種類で、記号の付け方で表示範囲が変わる
Google広告のマッチタイプは、記号なしで入力するインテント マッチ(旧:部分一致)、二重引用符で囲むフレーズ一致、角かっこで囲む完全一致の3種類で、この順に広告の表示対象になる検索が狭くなります(Google:キーワードのマッチタイプについて)。
| マッチタイプ | 書き方 | 広告の表示対象になる検索 |
|---|---|---|
| インテント マッチ(旧:部分一致) | 一人旅 温泉 | キーワードに関連する検索。キーワードの直接的な意味を含まない検索も入る。すべてのキーワードの初期設定 |
| フレーズ一致 | "一人旅 温泉" | キーワードと同じ意味を含む検索。語を足した、より具体的な検索も入る |
| 完全一致 | [一人旅 温泉] | キーワードと同じ意味・同じ意図の検索。3つの中で最も絞り込める |
インテント マッチは、表示する広告を決めるときに、その人の最近の検索、リンク先のページの内容とアセット、同じ広告グループのほかのキーワードも考慮することがあります。広いマッチタイプは、狭いマッチタイプで一致する検索をすべて含みます(Google:キーワードのマッチタイプについて)。
同じ「一人旅 温泉」でも、完全一致は同じ意味の検索、フレーズ一致は「ひとり旅 温泉 おすすめ」のように語を足した検索、インテント マッチは「湯治の旅」「大宮から電車で行ける温泉」のようにキーワードの語を含まない検索にまで広がります(Think with Google:検索広告の部分一致を「インテント マッチ」へ改称した理由とは)。
フレーズ一致では語順が意味に反映され、Google の例では「引越しサービス 東京から神奈川まで」というキーワードは「神奈川から東京まで」の引越しの検索には一致しません。以前あった絞り込み部分一致は2021年7月にフレーズ一致の動作に統一され、新しく作れなくなっています(Google 広告ヘルプ:フレーズ一致と絞り込み部分一致の変更について)。
「部分一致」は2024年7月から「インテント マッチ」と呼ばれている
Google Japan は2024年7月から、マッチタイプの名称を「部分一致」から「インテント マッチ」に変えました(Think with Google:インテント マッチへ改称した理由とは)。英語版のヘルプでは「broad match」のままで、日本語版のヘルプにも「部分一致」の表記が一部に残っているため、同じものとして読みます(Google:キーワードのマッチタイプについて)。
LINEヤフー広告 検索広告(旧Yahoo!広告 検索広告)でも2024年8月1日に「部分一致」が「インテントマッチ」に変わり、機能は変わっていません(LINEヤフー for Business:マッチタイプ「部分一致」の名称変更について)。
マッチタイプは、成果を数えられるかとスマート自動入札で選ぶ
マッチタイプは、コンバージョン(問い合わせ・予約・購入など広告の成果)を数えられていてスマート自動入札を使うならインテント マッチを中心に、そうでなければフレーズ一致と完全一致を中心に選ぶ、というのがこの記事の判断基準です。Google は、検索語句ごとにオークション時の状況を入札単価に反映する必要があるため、インテント マッチとスマート自動入札の併用は不可欠だとしています(Google:キーワードのマッチタイプについて)。
スマート自動入札は、目標アクション単価(いわゆる目標CPA)、コンバージョン数の最大化など、コンバージョン数やコンバージョン値を最適化する入札戦略です(Google 広告ヘルプ:スマート自動入札について)。CPAは、成果1件あたりにかかった広告費のことです。最適化の対象がコンバージョンという定義なので、コンバージョンを数えられていない段階では、インテント マッチの広い検索の中から成果につながる検索を選ぶ手がかりがありません。
Google は、一部のスマート自動入札戦略では、キャンペーンのタイプによって最適な結果を得るための過去のコンバージョン データの最小量があるとしています(Google:スマート自動入札について)。計測の設定がまだなら、Google広告のコンバージョン設定(タグ・電話・拡張コンバージョン)を先に済ませます。
フレーズ一致は完全一致より多く、インテント マッチより少ない検索が対象で、宣伝する商品やサービスに関する検索だけに広告を出せます(Google:キーワードのマッチタイプについて)。このため、個別単価設定(入札単価を自分で決める方法)で始める場合や計測を整えている途中は、フレーズ一致と完全一致で範囲を絞り、新しい語句は検索語句レポートから足します。